忍士道と共鳴水鏡
伝統的な忍びの術および思想を幕末以降に整理し構築した思想で、相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を認め共生する精神を「忍士道」として普及活動をしています。「忍士道」は、異質なものを共生、共栄させて釣り合いのとれた状態を「調和」として、争いの生まれない状態を求めます。さらに、調和のとれた「二つ」の状態から、融合し争う相手もいない「一つ」の状態を求めます。この「一つ」の状態が「融和」です。調和は互いに助け合う心であり、融和は争いの生まれない無我の心です。この二つの心の状態を「共鳴水鏡」と名付け、武蔵忍士団は伝えようとしています。
共存・共生・共栄
2つ以上のものが同時に生存する環境において、共存、共生、共栄の関係性が存在します。
共存は、互いが利益を得られる関係となります。共生は、互いに利益を受けつつ支えながら生活することです。共栄は、互いに助け合ってともに生存し、ともに繁栄することです。
忍士道は、互いを共存させることから始まり、互いに共生することへ繋げ、互いが共栄する関係性へ変化させていきます。
術より法を知り道に至る
武道、書道、茶道など「道」は「型」から入り、「本質」に気付くプロセスが共通しています。
忍士団は様々な技術や得意分野を持った人々が集まっています。よって、型として同じものを反復するのではなく、それぞれの技術を反復修練し、本質に気付く事で、他分野でも活かせる方法を自得していきます。
他分野であっても段階は共通しており、術理の反復により、法則を見出し他分野で活用し、道徳をもって和への道を歩み続けます。
修練と活用と思想
忍士道では、修練により修得したものを活用していきます。技術をそのまま使用できる場面は少ないです。実際に活かされるのは、思考や手法といったものになります。
例えば、「忍び歩き」は気付かれずに忍び込む歩き方の事です。忍び歩きの活用は、旅行などで寝ている同室の人に気を使って、トイレに行く時などではないでしょうか。「忍び歩き」は集中力、客観力、分析力などが培われます。それらの能力は生活の中で求める結果を出すことを可能とします。また、客観力や分析力はコミュニケーションなどに活かされ、人間関係や社会活動が円滑になってきます。飛躍しているようですが、同じ動作でも、ポイントやテーマによって修得内容が変わってきます。
忍士道は、共鳴水鏡の修得システムです。生涯、修練を続け、身に着けたものを活用しながら「和」を体現していく事が目的です。