忍士道の三才(天地人)
忍士道の三才は、活用法と修得法の両面を備えています。活用法は行動条件の要素として、修得法は「術、法、道」という段階に対応します。
この三才は「天地人」であり、侍が学んだ朱子学の三才思想と同様の世界観を再構築したものです。三才とは、天、地、人という宇宙を構成する根源的な三つの要素を指します。忍士道では、これを物事を多角的に捉え、本質を見抜くための重要な指針としています。

★天(自然)
行動条件における「理論条件」は気象、時間、季節、天体の動きといった、人間が操作できない自然の摂理を意味します。この「天の時」を読み解くことで、行動のタイミングや状況判断を行います。
修得プロセスにおける「術」とは、諜報活動や戦略的思考、危機管理、サバイバルといった実践的な技術や知恵を指します。これらを学ぶことで、様々な状況に対応できる能力を身につけます。
★地(世界)
行動条件における「物理条件」は地形、土地の状況、地理的な条件といった、活動する場所の物理的な要素を意味します。この「地の利」を把握することで、戦術や戦略を立てる上で有利な状況を作り出します。
修得プロセスにおける「法」は、自然科学、社会科学、哲学、心理学、ビジネスなど、多岐にわたる分野で使われる普遍的な関係や規則性のことです。それを学び活用することで、物事の本質を理解していきます。
★人(人間)
行動条件における「人為条件」は人々の感情、思考、人間関係、組織の動きといった、人間社会の要素を意味します。
「人の和」を重んじ、相手の心を感応(かんのう)することで、争いを回避し、和へと導きます。
修得プロセスにおける「道」は、忍士としての生き方や精神修養の道筋を示します。これは、日々の修練を通じて自己を磨き、精神的な成長を遂げるための探求であり、文化の継承や社会への貢献を目指すことにつながります。