千里善走之法

千里善走法は、江戸時代の「不及先生千里善走伝」(別名:万民千里善歩伝)に記された、長距離を疲れずに移動するための方法です。「八種の運歩法」(はっしゅのうんぽほう)は、様々な状況に対応し、効率よく長距離を移動するための8つの歩法を記載しています。

八種の運歩法

八種の運歩法は、単に速く走るための技術ではありません。地形や服装、疲労度といった様々な状況に応じて歩き方を変えることで、身体への負担を最小限に抑え、長距離を効率よく移動し続けるための、実践的な知恵の集大成と言えます。

  1. 三ツ足運歩之法(みつあしうんぽのほう): 基本となる歩法で、つま先で着地してからかかとをつけることで、前に倒れる力を推進力に変えます。
  2. 肩衣袴穿之節運歩之法(かたぎぬはかまちゃくのせつうんぽのほう): 刀を帯刀した武士が、肩衣や袴を着た状態で、品位を保ちつつ効率よく歩く方法です。
  3. 上坂運歩之法(のぼりざかうんぽのほう): 上り坂での疲労を分散させるため、歩き方を切り替えながら登る歩法です。
  4. 下坂運歩之法(くだりざかうんぽのほう): 下り坂での衝撃を和らげるため、腰を意識して小股で歩く歩法です。
  5. 平地運歩之法(へいちうんぽのほう): 「真・行・草」の3つの歩き方を一定間隔で切り替え、疲労を分散させる歩法です。
  6. 時切迅足運歩之法(とききりはやあしうんぽのほう): 時間を区切って徐々に速度を上げることで、長距離を速く移動する走法です。
  7. 七体之法(しちたいのほう): 身体全体にかかる負担を分散させるため、7つの歩き方や姿勢を周期的に繰り返す歩法です。
  8. 千里飛翼之法(せんりひよくのほう): 最も高度な走法で、長距離を翼が生えたかのように速く移動する方法です。 

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