七法出(しちほうで)

七法出とは

他国に潜入する際や、民から情報を得る際に変装する術。
変装とは言え、実際に出家し本物の僧侶になったり
芸を磨き大道芸人として活動するなど
変装の域を超えた本格的な成り代わりの術なのです。

忍者の需要が薄れていった江戸時代以降には
七方出で培った技術をそのまま本職として生活する人もいたそうです。

七法出の種類

  • 虚無僧
禅宗の僧侶。顔が隠れる編笠を被り尺八を吹いている姿が印象的です。
僧侶ですが刀の携帯が許されたり、関所に通りやすいといった利点を持ち
多くの忍者が変装していたそうです。


  • 出家
仏教徒の僧侶。虚無僧と違いお坊さんとしての身元がはっきりしている為
怪しまれにくく、お寺に住み込みながら諸国を渡り歩く事が出来たといいます。


  • 山伏(修験者)
旅をしながら各地の山で修行をする人達。
修行をしながら諸国を渡り歩く事が許されていた為
忍者にとってはまさに一石二鳥だったに違いありません。


  • 商人
旅をしながら物を売る人。
品物を売り歩きながら情報収集できる為、忍者としても都合の良い変装かと思われます。
薬売りや菓子屋など、様々な種類があります。


  • 放下師
現在の手品師の様な大道芸人のこと。
路上パフォーマンスをして人を集めて情報を得たり
芸を磨く事を理由に諸国を渡り歩く事が出来たそうです。


  • 猿楽師
能役者の事で、現在で言う能や狂言、歌舞伎の様な芸人。
放下師は路上で民からの情報収集を主としているのに対し
猿楽師は大名屋敷に呼ばれる事が多かった為
屋敷内での情報収集に長けていたと思われます。


  • 常の形(普段の姿)
普段過ごしている時などの何気ない恰好。
ですが、俗に言うその他の分類で
上記六つの変装に当てはまらない場合は全てこの形になるそうです。

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