東京エクストリームウォーク(草鞋で完歩)

草鞋ウォーキングとして江戸川河川敷、川越、高尾山と行ってきましたが、ガチの大会に参加しました。今回は小田原城址から江ノ島まで歩いたレポートです。

【第5回】 東京エクストリームウォーク

参加した大会は2022/11/5(土)開催の「第5回 東京エクストリームウォーク」です。公式HPでは下記のように説明されています。

「東京エクストリームウォーク」とは、自身の体力と気力の限界に挑み、100kmを歩ききるイベントです。小田原城址公園を出発し、東京都内のゴールを目指します。制限時間は26時間。多くの人が夜通し歩く「エクストリーム(過激)」なウォーキングです。一人で挑んでも、仲間とともに挑んでも、きっと、これまでにない気づきや絆が生まれるはずです。
江の島付近までの34kmを制限時間8.5時間で歩くビギナーズ部門もございます!

草鞋で100km歩くのは無謀すぎると弱気な判断をくだし、今回はビギナーズ部門の34kmに参加しました。

服装と装備品

忍者装束に草鞋、草鞋掛け足袋はいつものスタイルです。装束の下には上下ともスポーツタイツを着用し、草鞋掛け足袋の中に足袋用のインソールを入れたアスリート仕様です。今回は草鞋の耐久性検証ではないので、草鞋にガムテープを貼りました。縦に一枚貼るだけで耐久性が爆上がりして長持ちします。ガムテープを貼らないと舗装道路では20㎞ぐらいが限界です。

ザックは10リットルの物を使用し、中には予備草鞋、地下足袋、ガムテープ、ばんそうこう、テーピング、カイロ、防寒着、ポンチョ、ヘッドライト、財布、手袋などを入れました。

雨の日の準備として、ポンチョと地下足袋を用意しました。雨の中の草鞋と足袋は水分を吸うと重くなり歩き辛く、足がふやけます。雨天の場合は草鞋はあきらめて、地下足袋ウォークに切り替える予定でした。ポンチョは足が濡れますが、野袴や脚絆をはずしてスポーツタイツであれば問題ないです。

荷物を減らせない性格で、邪魔とわかっていながら手袋とカイロを持ちました。ヘッドライトは大会でも推奨されていました。ガムテープは草鞋修理用ですが、服や靴、ザック、応急手当など何かと便利なので必須です。切り傷などはアロンアルフアとガムテープやテーピングを使うワイルド対応です。

持たなかった物は、苦無がわりのペグと細縄です。これにポンチョがあればペグと縄でテントが張れます。そのほか、災害・護身用のフラッシュライトや笛などの細々した物も除外しました。基本思考がサバイバルなんでしょうね。大会では歩くのに不要な荷物を預けてゴールで受け取れるため、家から持って行かなかったわけではないですが(笑)。

ウエストバックには行動食のカロリーメイト、ラムネ、塩羊羹、ナッツチョコレート、カルパス、ポケットティッシュなどを入れました。

スタート

天気は晴れ!自来也、玄心、あゆむ、電二丸の四人が参加です。

自来也、あゆむは9:20分ごろスタート。15分遅れで電二丸、玄心がスタートしています。

自来也、あゆむは先行していましたが、草鞋のあゆむは歩幅が狭いため、10キロ地点のローソン西湘二宮店で別行動になりました。あゆむは草鞋と足袋を脱いで足のチェックし、カロリーメイトや羊羹を食べ10分ほど休憩。ここ以降のコンビニ、チェックポイントのトイレは行列でした。

平塚漁港しおかぜ広場

22km地点のチェックポイント。塚漁港しおかぜ広場で休憩。ここで電二丸と玄心と合流しました。
チェックポイントでは、カレーパン、ミカン、水を頂きました。ここで再び草鞋と足袋を脱いで足を休め、20分の休憩です。

しかし、なんと自来也からゴールの知らせがありました!!
「どんな歩き方したんだ!?」と三人がざわめきます。

自来也は「忍道」1級で初段も間近。初段では遠足(とおあし)として長距離歩く試験項目があるらしいです。「余裕でクリアなんじゃないか?」と思います。

海辺の道

チェックポイント以降は海辺を歩く道で気持ちが良かったです。次第に右の股関節が痛くなり、通常の歩きが出来なくなっていきます。また、右足の膝裏も痛くなっていきますが、草鞋を履いた足元は特に痛みはないです。忍士団の三人で歩きましたが、足を引っ張ってしまった感じです。自分のペースで歩いていたら制限時間に間に合わなかったかもしれません。
一緒に歩く仲間に感謝です!!
休憩は1時間ごとに5分ほどの小休止をとっています。

夕日と富士山がきれいですね!

ゴール間近

先行ゴールの自来也の激励に三人が応えています。

ゴール!!

電二丸、玄心、あゆむは17時過ぎにゴールです。先にゴールした自来也も合流して記念写真です。

あゆむ草鞋で34km完歩です!

あゆむの記録

記録は歩行距離35.24km、8時間8分で完歩、平均速度4.33でした。
写真は記録スクリーンショット、大会の完歩証明書とゼッケン、そして着用した草鞋です。
草鞋は22キロ地点でつま先部分にガムテープの補強をしましたが、一足で歩ききり、ほぼ痛んでいませんでした。

なぜ股関節が痛くなるのか?

あゆむが苦しんだ股関節の痛み。忍士団の頭目分析は下記の感じです。

相手に動きを読まれないように動くには、頭(上丹田)と腹(下丹田)を上下させない。そのために膝の伸びを上手く制御する必要がある。さらに肩をゆする横揺れも動きを読まれるので、胸(中丹田)の使い方も気にする必要がある。

歩きはナンバや二軸など話題の身体操作が様々あるが、交互に足を出していれば身体が捻じれる。捻じれをパワーにするか分散させるかの違いはあるが、どこかの部位で捻じれ処置をする必要がある。大まかには肩甲骨、横隔膜ライン、腰回り、股関節、足の裏となる。服装が帯と袴、さらにウエストバックで腰回りが固定される。ザックを背負うと背中と胸が固定され胸や肩甲骨、ウエストラインが固定される。まるで鎧を着ているようなもの。着地足は蹴り足を使うと捻じりが生じ、草鞋が壊れる。そうすると股関節で捻じれ処理をする事になる。
また、疲れない為に上下動の動きを無くし股関節で力を吸収するので、股関節への負担はさらに大きくなる。

難しい事は分からないが、「鎧を着て1日合戦した感じ??」でしょう。
「すげーな戦国時代!!」と感じました。

忍士団参加者の感想

自来也

少し前に膝を痛めてしまっていた為、今回は草鞋を避ける事にしました。
にも関わらず歩いていて「これ結構行けるんじゃね?」なんて思ってしまい、
ついつい行けるとこまで行ってみた次第でございます(笑)
因みに自分は最終的に約5時間40分、時速6km程で歩いていたそうです。

自分の恰好ですが、
いつもの忍装束に膝サポーターを着けて、足はパルクール用の身軽なシューズ。
ウィダーインゼリーとおにぎりと雨合羽の入った風呂敷を腰に巻き、
右帯に500mlペットボトル、左帯にラムネ入りの印籠。
恐らく今回参加した4忍の中では一番軽装で挑む事が出来たと思います。

自分の歩き方は、前半抜き足寄りに温存し様子見。
後半は蹴り足で歩幅を広めて早足で進んでました。
速度的にも大分ごぼう抜きしていた事もあり、
「あれ、忍者じゃね?」
ってすれ違う度にそんな声が聞こえたりもしましたが、そんな事も気にせずひたすら歩いてみました。

一番つらくなってきた所は、チェックポイント(22km)すぎてちょっとしてから。
徐々に膝に痛みを感じ始め、それから足裏の土踏まずの部分が痛み始めてきました。
恐らく歩いてて一番力の入っていた部分から徐々に負担が掛かってきていたのだと思います。
それ以上にきつかったのが意外にもスタミナでした。
早歩きだと想像以上にスタミナが消費されて残り5kmぐらいまで来ると、
走った時と同じぐらい気管支が苦しくなってきました。
持っていたゼリーやおにぎりを食べながらスタミナを補給しつつ、なんとか歩き切る事が出来ました。

結果的に一人先走ってゴールしたので、タイムアタック完走みたいな爽快感もありつつ、
自分も頑張って草鞋で行って皆と歩いていた方が良かったのでは、という葛藤もありつつ、
なんやかんやで楽しめた1日でした。

次回の歩法の課題は、草鞋の早足(飛脚みたいな?)など試してみたいなーとひっそり思うのでした。

道中のトイレ休憩でお世話になった公園
めっちゃ空いてました!

電二丸

わらじで歩くイベント第四弾、遠足に挑戦です。

まず遠足=えんそく、だと思ったあなた!我々は忍者ですので遠足は、“とおあし”と読みます。昔は長い距離を歩くことを“とおあし”と言って、修行していたんですね~

史実としては、上野国安中藩で1855年(安政2年)に安政遠足(あんせいとおあし)と言われる徒歩競争がありました。安中藩主 板倉勝明が藩士の鍛錬のため、藩士96人に安中城門から碓氷峠の熊野権現神社(約27㎞)まで走らせたそうです。これは江戸のマラソン大会ですね!

私は今回わらじの限界に挑戦したく、わらじにわらじ掛け足袋で参加。しかし、開始3時間くらいで右足のかかとに異変を感じました。歩き方が良くなかったのか、足袋を脱いでチェックしてみると足の裏のかかとの皮が剥けかけている様子。大事をとって、ワセリンを塗り、靴下を履いて、ここからウォーキングシューズに履き替えました。残念、無念。

休憩を何回かとりつつ、完歩しましたが、今回非常に大事だなと思ったのは休憩の頻度です。自来也は驚異的な持続力でほぼ休憩なしで歩いていましたが、私と玄心は一緒にスタートして最初2時間ほど休憩する場所が無く、神社を見つけて休息を取りました。10分ほどの休憩で水分と糖分を摂取すると、二人とも明らかに疲労回復を感じることができました。そう考えるとよく言われる1時間歩いて10分休憩は理にかなっている気がします。

改めて装備と休息が大事だなと感じました。

また終わった後、焼鳥屋でたんぱく質を補給しましたが、焼き鳥とビールが本当に美味しかった。これも疲労回復に役立ったはず!?

玄心

参加にあたり荷物を最小限に絞って参加したため、荷物を預けることもなく全てバックパックに入れたままスタートしました。中身は、おにぎり3個、飲み物1ℓ、おやつ、小型のヘッドライト、スニーカー、靴下のみ。

今回は他のチームメンバーと違うスタイルで、厚さ3mmのベアフットシューズを裸足で履いて参加しました。左足首を痛めていたこともあって、途中で耐えられなくなった時のためを考慮し念のため重いけれどもスニーカーを入れておきました。(結局使わず、余計な荷物となりました…)

私は電二丸と同じグループで9:30出発でした。やはり一人での長距離歩行とは違い、仲間がいると会話しているうちにぐんぐん進むので、あっという間に1.5時間ほど経ちました。最初の休憩時点で、すでにあちこちに靴擦れのようなものが見られました。靴下がないと、肌がダイレクトに擦れますね…。しかし、参加者全員がもらえるワセリンを塗り込み、その後はその最後まで痛みは消えました。
神社等で小休止を挟みながら歩きましたが、その度におにぎりを1個ずつ食べていくという作戦を取りました。歩いて消費したカロリーを随時補給しているわけですね。
途中でコースを間違えかけたりというハプニングもありつつチェックポイントに辿り着きましたが、その頃から、左足裏の指の付け根あたりに痛みが出てきました。おそらく、足首の痛みを無意識に庇うような歩き方になっていたのが原因なのだろうと思います。

だんだんと薄暗くなってきたラスト1時間くらいの距離から、「残り●●分」とスマホを見ながらカウントダウンを始めました。「残り50分」「残り40分」…とカウントダウンごとに、「えぇ~…」「はぁ~…」とため息が漏れる地獄のカウントダウンとなりました。
そう、痛みや疲れもあって気づかぬうちに歩行ペースが落ちていたのです。だいぶ歩いているつもりでもなかなかゴールに近づきません。そんな中、とっくにゴールしている自来也からは煽りのLINEが…!!笑 最後は温かくゴール前で迎えてくれました。

皆で楽しみながら目標達成できた良い一日でした。
翌日も肉体疲労や筋肉痛もなかったので、100kmもいけるのでは…?というチャレンジ欲も出てきました。今日からまた鍛錬!

あゆむ

草鞋の長距離歩行で言えば、以前に20km歩いています。その時は右の股関節が痛くなり、足が上がらなくなりました。今回は逆の左股関節です。ここ一ヶ月ほど暇さえあれば手裏剣を打っていたのでそのフォームで歩いていたのでしょうか。

疲れてくると自分との戦いで、日ごろの忍耐力が試された感じです。忍士団の仲間と歩く事でチーム力を感じ、他の参加者との仲間意識も生まれます。チームで同一の目標に向かう事は得られるものが沢山あると再認識しました。

舗装道路での草鞋の耐久度は20kmぐらいですし、身体の限界は20km以上です。個人差はありますが、自分の1日の草鞋歩行は20kmくらいだと思います。今後は20kmを複数日続けたり100km踏破など草鞋に限らずチャレンジしていこうと思っています。名は体を現す!名前が「あゆむ」ですからね。

なにより完歩後の居酒屋で飲んだビールがうまかった!

まとめ

「なんで忍者の恰好で歩いているの?」、「仮装してお祭り気分で歩いているの?」と思われた方もいると思います。

忍者は情報の取得と伝達が主な役割の一つです。忍者が活躍した時代は乗り物(船や馬)、道具(狼煙や法螺貝)、人力(走る、歩く)といった情報の伝達方法などがありました。草鞋ウォークやウォーキングを定期的に行っているのは、情報伝達として調査潜入や情報伝達の為、人力移動の研究と修練の一環として取り組んでいます。

同じ考えで、パルクール体験の取材は素早い移動や障害物移動の研究になります。移動法は平地の長距離だけでなく、闇夜の移動や山岳地帯の移動などもあります。

忍者の修行は武術のイメージもありますが、歩く技術の修行もあると認識してもらえれば幸いです。

by あゆむ

まさかのツワモノ

Twitterでこんなつぶやきが!!

完歩したのだろうか?!

コメント