秋だ!天然のまきびしを採取に行こう♪

この世を照らす光あらば
この世を探る影もあり・・・

忍士調査隊 初の『天然まきびし』採取に挑戦!

長かったコロナ渦での緊急事態宣言がようやく解除されたタイミングで
忍者ではお馴染みの『まきびし』を採集に行こう!という声があがりました。

そう!忍者ではお馴染みの『まきびし』ですが、
そもそもどういうものでしょうか?

まきびし(撒菱)とは?

まきびし(撒菱)とは、忍者が用いる道具のひとつ。
あらかじめ逃走経路にまいておいたり、逃げる途中にばら撒くことで追手に怪我を負わせる、またはそれを踏まないようにするために追手の速度を落とさせる効果がある。

まきびしの種類は大まかに、①水草の一種である天然の菱の実(鬼菱)を採取して乾燥させたもの、
②鉄を使って菱の実の形に成型した鉄菱(てつびし)、③竹でつくる竹菱(たけびし)
などがある。

天然の菱は池や沼でとれる。アカバナ科の植物で、泥中から細長い茎が出て水面に達し、節に羽状の水中根がある。この植物の果実は、逆三角形の形状で両側にトゲがある。

いずれにせよ海岸にあるテトラポットのような形をしたもので、どんなに投げて転がしても
必ず鋭い先端の一部が上を向き、昔は裸足や草履・わらじが主流だったので、鋭いまきびしを踏んだら足の裏が傷つき、追手に甚大なダメージを与えられるという恐ろしい武器である。

最も効果が高かったのが鉄菱だが、高価で重いため大量には使えず、忍者は天然のまきびしを使うことも多かったという。

某県・某所に『天然菱の実』があるとの情報を入手!

忍者ならば一度は行きたい『天然まきびし採取』ですが、これがなかなかどうして難しい。
天然のまきびしは一年間のうち秋の9月中旬~10月中旬までが採取の時期らしい。
まずは、どこに菱の実があるのか?と、調べていると…千葉県の『〇〇沼』が菱の聖地みたい。

ううーん、でもいきなりメジャー級の場所ではなんかビギナーでは恐れ多い気がするし、
と調べていくと、なんと都内に近い某県・某所にも天然の菱の実が繁殖しているらしいとの情報を入手!これはビギナーにも丁度いいという事で、場所は明かせませんが数名の調査隊メンバーが採取体験をしてまいりました!


菱の実を探せ!

忍士調査隊のメンバー総勢6名が集まり、目的地の自然公園に到着!
一応、気合を入れて皆忍び装束に身を包みながら来た手前、緊急事態宣言の明けた休日の公園には
ファミリー層に混ざり、ひときわ怪しい一団に見えなくもない…苦笑。ふふふ。

おもったよりもかなり広い自然公園で、大きな沼もあり、これはかなり期待できるかも!
ただ、調査隊メンバーのあゆむが下見してきた場所とは全く逆側の対岸に到着してしまい、
ほぼ20分近くただただ、ひたすら菱の実を探しながら歩く羽目になってしまう。

まあ、天気がよくて久しぶりに郊外に出たので気持ちのよい散歩をかねて楽しもう!
途中途中にあるソフトクリームやかき氷の販売所に誘惑されながら、お互いに声を掛け合い
『まきびしが採取できたら、いちソフト』を合言葉に何度も唱えながら目的地に向かってゆく…。

ついに、菱の水草が生い茂る小堀を発見!

おお!これはまさしく菱の葉っぱではないか~!?
周囲をくまなく歩きまわり、ようやく目的地に到着か?
一気にテンションがあがるメンバーたち

確認のために恐る恐る水面に浮かぶ水草を手繰り寄せて裏返してみると…

いるいるいるじゃーん!菱の実がー!!

これはと堀の中に入って一気に採取するかとばかりに、裸足になり
水の中に入ろうと試みるが、見た目よりかなり水深が深くて無理!
周囲では突然現れた忍者姿や編笠姿の怪しい?面々がいきなり堀の周辺で何やら水草を引っ搔き回している姿に、道行く人々も足を止めて、何?何?忍者?…と覗き込むようすもみられました。
子どもたちには『あっ、江戸時代の人たちがなんかやっているよ~!』とか言われています。

そんな周囲のざわつきも気にならずに、メンバー一同はテンションあげあげで、
落ちている木の枝などを拾い、水草を手繰り寄せて手当たり次第にめくってみると…

沢山の菱の実が実っていました!

でもよく見ると、我々の求めていた忍者のよく使う鬼菱(おにびし)ではないみたい。
かなり小ぶりでテトラポット型ではない 和菱、もしくは姫菱っぽいかんじです。
形はデビルマンの頭というか?トイストーリーのエイリアンのようなフォルムですね。
それでもとりあえず天然の菱の実には違いないので、夢中になり確認作業を続行!
忍術の検証のために少しだけ採取させて頂きます。

天然の菱の実を食してみる!

ここで検証は終了のはずでしたが、
メンバーの電二丸さんがおもむろに『これ、食べてみませんか?』といい出し、
キャンプ道具のコンロや小型の鍋を取り出した。
折角ここまで来て採取出来たので、味も確かめようと準備してきたのだ!
テキパキと準備して数分間ボイルしてみる。

仕上がったようなので、かたい殻を割って食べてみる、いざ実食!

うーん、なにげに香ばしくいい感じに塩気もあり美味しい!
味は里芋に似ている感じかな…
みんなで菱の実の味を確認してご満悦!

検証結果!

今回は目的とする鬼菱(おにびし)では無かったが、
都内近くで天然の菱の実をみつけられてよかった!
そして忍者も忍務の最中に携帯して食べていた…といわれる、まきびしの味も堪能出来たので、
とりあえず第1回目はこれで終了という事でOKかな?

最後はもちろん、みんなでご褒美に『いちソフト』で乾杯ということで締めくくりました。
次回は是非、鬼菱の聖地『〇〇沼』への出陣を心に誓う忍士調査隊メンバーでありました!

番外編!その① あきらめの悪い忍者、〇〇沼に行く

はあ~、やはり本物の鬼菱(おにびし)が欲しい…
メンバーの電二丸さんもこっそり翌週に単独で行って鬼菱をみつけてきたと聞いて、
拙者もこの衝動を抑えられなくなって、気づけば翌々週に千葉県の〇〇沼へ向けて
何本も電車を乗り継ぎ、レンタサイクルを借りて向かっていました。

うーん、気持ちの良いサイクリングロードの途中にみえる風車のそばではコスモスが綺麗で、
日曜日ということもあり、何かのイベントが開催されていて家族連れが多く盛り上がっています。
電二丸さんに情報をもらった貸しボート小屋の付近を目指して一直線に自転車を漕ぐ。
しばらく漕ぎ続けお尻が痛くなってきた頃、突然視界が開けてきてそれらしい場所を発見!!

しかーし、自転車を降りてしばらく水面を覗き込むが、菱の葉がほとんど浮かんでいない
これはしくじったか?と、ちょうど近くにいたボート小屋のご主人らしきに話しかけると、
『あ~菱は今年は終わりでもうないよ! みんな駆除されちゃったから…』とのこと。

拙者は自分が忍者であることと、仲間の情報で鬼菱をここに採取に来たことをつげると、
駆除して捨ててある中から拾っていけばどうか?とのお話を頂き、
周辺を探してみると、あるわ!あるわ!鬼菱の大群が土手の周辺に干されて捨てられている。

ヤッホー!やはり鬼菱はでかいな~! 
ここでは捨てられちゃうものでも、我々忍者にとっては宝の山ですよ~これは!(興奮気味)

なんでも貸しボートを営業するのに邪魔なので、集めて乾燥させて一気に燃やすらしい…。
ありがたく、持ってきた袋にたくさん拾っていきます。

貸しボート小屋のご主人と奥様が出てきて面倒をみてくれたので、色々お話を伺うと、
今年は特に鬼菱が豊作の年だそうです。

来年は忍者仲間達を連れて菱の駆除をお手伝いしながら、
我々の必要な鬼菱を頂いていこうという計画を立てました! 
ご夫妻、ありがとうございます♪

家に帰って汚れを洗って天日に干しておきます!
ちなみにトレイの右側にある小さい方の菱は、前回メンバーと採取した普通の菱です。
普通の菱と比べてみると、鬼菱は全然大きさや,そのフォルム、鋭さがケタ違いにグレートです♪

番外編! その② まきびしを踏んでみよう!

まきびし(鬼菱)を入手出来たということで、
まきびし本来の威力がどうなのか? 検証してみました!
昔の人は現代の人と違い、硬めの靴を履いていませんでしたので、
わらじや足袋、裸足などでまきびしを踏んだときには一体どんな感じだろうか?

まずは、わらじ+足袋で検証します

あれれ? グサリと靴底には食い込んできますが、まだなんとか耐えられる痛み?かな…

そうだ!これは素足のままわらじを履いているワケではないからなのか?
よし、じゃあ~わらじを脱いで更に地肌に近い足袋の状態でまきびしを踏んでみよう!

あっ!こりゃ~かなり痛いぞ!鬼菱の鋭いツノが足裏に食い込んできやがる!
今は心の準備をして、ゆっくりあまり体重もかけずに踏みしめているから大丈夫だけど、
これは逃げる忍者を追いかけている人が、まきびしに気づかずに
思いっきり体重をかけて踏んでしまうとかなりヤバいレベル!

最後にもう、素足で踏んでみる!

はい!それでは最後に心を決めて素足でゆっくり踏んでみる…
うお~っ!!痛、イターい、こりゃダメだ!!
踏めない、踏めない無理無理~!! もうこれは事故レベルだよ~!泣


意外と曲者だったのが、ツノから更に返しがついた7ミリくらいのトゲが生えていたことです
このまま踏み抜いたらこのトゲが皮膚に食い込んで刺さり、簡単には抜けないと思います!

うお~!恐るべしオニビシの威力!!

まきびし踏みの検証結果!

これはもう凄い威力です!間違いない!
このまきびしという水草を探して、逃走時に利用した昔の忍者達の知恵はすごかった!
更にこの天然の菱を模して、鉄や竹などで更に強固に仕上げた鉄菱などは想像を絶する威力であろう。

我々忍士調査隊メンバーはこれからも忍術の更なる疑問や可能性を追求し、
時には体をはり、身をもって真実を検証していこうと思います。 …ホントかよ?

レポート:紫 龍

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