打竹を作ってみました!

熱い日差し、響き渡る蝉の声
そんな夏の炎天下の中
今回は火種を保持する忍者六具の一つ「打竹」を実際に作成してみました!

忍者にとって、火種は命にも等しく大事な道具の一つとなります。
そんな火種を大切に保管出来る物、それが「打竹」となるのです!

それでは早速打竹を作っていきましょう!

打竹_作成手順

0.打竹作成に必要なもの


(4~5mmぐらいの綿の紐、三つ編みの燃えない紐と金剛打の燃えやすい紐があると良い)

今回は使用器具として
のこぎり、ドリル、やすり、ナイフ、ハサミ

※本当は穴を開ける道具として錐(キリ)で試したかったのですが、
穴を開ける作業があまりに大変な為、今回はドリルでやらせて頂きました。

1.竹を切る

大きさ的には、見た目も含めて考えて稈(かん)が20cmぐらいあると良さそうに感じました。
稈の間に節があると丈夫で壊れにくくなる印象を受けたので
切る間隔は稈の真ん中で区切って切ると良さげだと感じました。

のこぎりで地道に切断。
この後加工する事も含め、大きさは大体25cmぐらい。短いものは端数です(笑)

2.穴を開ける

切った後の体裁を整える前に穴を開けておく ←ここ重要
※穴を開けるのが一番竹を割る要因になりえる為、
 穴を最初に開けておけば万が一壊れてもやり直しが容易になる、と感じました。


まずは穴を開ける為に印を付けます。

各々で地道に印付け。
穴を開ける前の重要な作業なので皆真剣です!

次に印を付けた箇所に穴を開ける作業になります。
今回の山場!

穴を開ける際はある程度間隔を開けて開ける。
20cmぐらいなら4cm間隔で上下左右の4面に。
また上下と左右で開ける場所を微妙に変える事で竹の壊れる確率を減らす事が出来るそうです。

余談ですが、
穴を多めに開けると酸素供給量が増える為、よく燃えるがその分持続力は減る。
ただし穴を減らしすぎると酸素供給量が減る為、途中で火が消えてしまう可能性がある。

穴の個数も色々と考えられて開けられていたんだなぁと痛感しました(笑)

3.体裁を整える

ここからは自分の思い描く打竹の形に合わせていきます。
自分は下の方の稈は1cmの幅を残して切り、底の穴を開ける。
上の稈は5cmぐらい残して切り、斜めに切って火元を入れやすい様に穴を開ける。

開けた直後の穴も荒く空いているので、やすりを使い触り心地が良くなるよう整える。

打竹は火種を保管しておく為の器で消耗品だった為、
実際はここまで体裁を整える作業は無かったと思われます。

今回は実際に腰に付けたりする為の見栄え重視で一生懸命体裁を整えました。

4.紐を取り付けて完成!

体裁を整えたら腰に付ける為の紐や火種を作る為の紐を用意し、
打竹に取り付けたら完成!

腰に取り付ける用の紐は普通の丸紐
火を付ける紐は綿で金剛打紐(金剛打紐の方が燃やした時に燃焼しやすい)

といった様に用途によって紐が変わりますのご注意を。

打竹作成後

実際に完成した後、火を付けて入れてどれだけ火が保つか確認してみました。

自分の作った打竹では思ったより煙が出て大体15分ぐらいで全て燃え尽きた感じでした。

風通しを良くする為に穴を多めに開けていました(一面に4つ×4の計16個)が、
長持ちさせるならもう少し穴を減らすなどの工夫が必要だと感じました。

使用感が出てなかなか良い見た目に!

打竹を作り終えて

全体を通じて、打竹は消耗品であるにも関わらず非常に作成するのが大変に感じました。
更に、火種を入れた状態で持ち歩いていた忍者もいたそうですが、
実際に火種を入れると煙がそこそこ出て、こんなの持ち歩いて目立たないのか?とか、
入れた箇所が肉が焼けそうなぐらい熱くなったりするので本当に持ち歩けるのか?など、
実用性が本当にあったのか疑問が膨らむばかりでした。
想像の域を出ない内容ではありますが、忍者の資料に記載されている内容以外にも、
口伝で伝わった忍者六具の作成の方法があったのかもしれません、と感じた1日でした。

最後に皆で作成した打竹を並べて撮影
手裏剣やロウソクもあって良い雰囲気に!

最後に皆で作成した打竹を持って撮影!にんにん♪

By 自来也

追記

本編で作ったものは腰に下げ携帯するには問題ありませんが、使用中は熱くて持てません。また、内側が焦げて、熱で竹が割れる物もありました。懐に入れてカイロとしての用途もありますし、苦労して作ったものが消耗品はもったいないです。

そこで、簡単な解決方法として筒の二重構造を紹介します。外筒は長持ちさせ、内筒は1、2度使の使い捨てとしての考え方です。内筒は初めから割っておくのも良いです。二重構造は手に持てないほど熱くなく、作成する際のご参考にしてください。

竹の種類や収穫、作成時期、筒内に何か貼る等の工夫などあります。今回の火縄は天然綿の金剛打ちを使用していますが、材質や塗りこむものなど様々な工夫があり、水につけても消えない火縄も存在します。室内と屋外では空気の循環に違いがあります。隠密行動では煙や臭いについても考慮が必要です。

さまざまな検証を行い、データが取得できたら追加記事を書きたいと思いますので、ご期待ください。

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